頭のいい人が話す前に考えていること|9つの黄金法則と実例まとめ【安達裕哉】
本記事では、安達裕哉さんの著書『頭のいい人が話す前に考えていること』の内容をもとに、頭のいい人が「話す前にどんなことを考えているのか」を、実例つきで整理して紹介します。
会議・仕事・家庭の会話がぐっとラクになる、本質的な思考法が学べる1冊です。
書籍情報
- タイトル:頭のいい人が話す前に考えていること
- 著者:安達 裕哉
- 出版社:ダイヤモンド社
- ページ数:336ページ
- ジャンル:ビジネス・コミュニケーション・思考法
頭のいい人が話す前に考えている「7つの黄金法則」
1.怒っている時の判断はほぼ間違うので、とにかく反応しない
怒られたり理不尽なことを言われると、つい言い返したくなりますよ
その瞬間の判断は、ほとんど後悔するやつなんだよね。
6秒だけでいいから、グッと堪えて待ってみよう
本書の最初に来るのが「とにかく反応するな」という法則です。
怒りや不安がピークの時は、理性より感情が前面に出てしまい、冷静な判断ができません。
この状態で出した言葉は、相手も自分も傷つけ、あとから取り返しがつかなくなりがちです。
そこで著者がすすめるのが「6秒待つ」こと。
怒りの感情が生まれてから理性が働き始めるまでには、数秒のタイムラグがあります。
その間は口を閉じ、何も言わない。これだけで多くのトラブルを防げます。
感情に任せて即座に反応するのではなく、
「いったん立ち止まってから話す」が、頭のいい人の基本姿勢だとされています。
2.頭のよさは自分ではなく「他者」が決める
自分ではちゃんと考えて話してるつもりなんですが…。
頭がいいかどうかを決めるのは、いつも“他者”なんだ。
自分視点ではなく、相手視点でどう評価されているかを意識してみよう
本書で繰り返し強調されるのが、「頭のよさは自分ではなく他者が決める」という視点です。
どれだけ自分で「論理的に話せている」「良い提案をしている」と思っていても、
周囲から「この人はちゃんと考えてくれる」「信頼できる」と見られていなければ評価は上がりません。
逆に、学歴や知識が豊富でも、
・相手の話を聞かない
・自分の話ばかりする
・難しい言葉で煙に巻く
といった態度が目立つと、「頭がいい人」ではなく「賢ぶった人」と見られてしまいます。
頭のいい人は「どう話すか」だけでなく、
相手からどう評価されているかを常に意識しているのが特徴です。
3.「ちゃんと考えてくれている」と思われた時、人は信頼する
著者の妻との会話がエピソードとして紹介されています。
買い物のとき、妻から「青い服と白い服、どっちがいいと思う?」と聞かれて、
著者は、「白がいいんじゃない?」と直感で答えていました。
しかし、その答えを聞いた妻の機嫌はなぜか悪くなる。
後から理由を尋ねると、こんな本音が返ってきます。
「あなたがその場でパッと答えている感じがして、『私のことをちゃんと考えてくれてない』と感じた。」
色の好みじゃなくて、“私に似合うかどうか”を考えてほしかったんですね。
そう。質問の裏にある「本当に知りたいこと」を読み取ってほしかったわけだね。
人は、「自分のために本気で考えてくれている」と感じたとき、相手を深く信頼します。
逆に、賢いふりをして難しいことを言ったり、適当に答えたりすると、一気に信頼を失います。
頭のいい人は、質問の表面だけでなく、その奥にある「本当の意図」まで読み取ろうとします。
4.人と闘うのではなく、「課題」と闘う
ある日、食器棚を購入したお客さんから電話が入りました。
届いた食器棚の引き出しの底に傷があり、「今すぐ交換に来い!」と激怒しています。
担当者は、まず状況を落ち着いてヒアリングしました。
話を聞き進めると、翌日から家族旅行に行く予定があり、
「新しい食器棚をきれいな状態で家に置いて、気持ちよく出発したかった」ことが分かります。
つまり、お客さんの怒りの本質は「傷」そのものではなく、
「楽しみにしていた旅行前のワクワク感を壊された怒り」だったのです。
問題の本質は“傷”じゃなくて、“楽しみを邪魔されたこと”だったんだ。
そこで担当者は、別店舗から状態の良い展示品をすぐに用意し、
子ども向けのお菓子セットを持ってお客さん宅へ向かいます。
「新品は最短で取り寄せます。今日は展示品をお持ちしました。
明日からのご旅行に、少しでも気持ちよく出発していただければと思います。」
この対応により、お客さんの怒りはすっかりおさまり、新品との交換も冷静に受け入れてくれたといいます。
頭のいい人は、
・相手を論破すること
・自分の正しさを証明すること
ではなく、
「本当の課題は何か」を見極めて、そこに全力で向き合うことを優先します。
5.伝わらない原因は「話し方」ではなく「考えの浅さ」
本書では「告白」の例が挙げられています。
好きな人に告白してフラれてしまった友人が、
「告白のしかたが悪かった」と落ち込んでいるとしたら、
本当にそうでしょうか?
著者は、「多くの場合、話し方ではなく“考えが浅かった”ことが原因だ」と指摘します。
- 相手の状況や気持ちをどれだけ理解していたか
- 相手にとってタイミングは適切だったか
- 関係性を積み重ねてから告白したのか
こうした点を深く考えずに「言い方」だけを工夫しても、結果は変わりません。
ビジネスの場面でも商談を失敗した時と同じですね…。
なぜかビジネスの場だと、「言い方が悪かった」と、テクニックに走りがちなんだ。
本質は話す前に「どこまで考えられているか」を突き詰める事。
会議で意見が通らないとき、つい「プレゼンの仕方が悪かった」と思いがちですが、
そもそも前提条件や相手の立場を十分に考えられていなかった可能性があります。
大切なのは「どこまで考えられているか」を深く考えることであるといいます。
6.知識は「披露」ではなく「相手のために使う」
簡単にアドバイスや意見をせず、相手がどう考えているか問いかけをするのがいいよ
自分の知っていることでも、アドバイスしちゃダメなんですか?
- 「今回の新商品の反響が出なかった理由を、どう考えていますか?」
- 「その仮説の根拠を、もう少し詳しく教えていただけますか?」
- 「もし成功するとしたら、どんな状態をイメージしていますか?」
こうした問いかけの中で、相手自身が課題に気づき、
「自分で解決策を見つけた」という実感を持てるようになります。
知識は、相手の思考を補助し、気づきを促すために使ってこそ価値があります。
頭のいい人は、「自分が話す」より「相手が気づく」ことをゴールに置いています。
7.承認欲求を満たす側に回る
最後の黄金法則が「承認欲求を満たす側に回れ」というものです。
誰でも「認められたい」「褒められたい」という気持ちを持っています。
しかし、この承認欲求が強く前に出ると、
- 自慢話が増える
- 人の話を遮って自分の意見を押し込む
- 必要のない場面で成果をアピールする
といった言動につながり、かえって信頼を失います。
僕は褒められたいです!!
気持ちはわかるよ(笑)でも急がば回れって言うじゃない?
頭のいい人は、自分の承認欲求をコントロールし、
むしろ「相手の承認欲求を満たす側」に回ります。
そのためには、
- 自分の能力や価値にある程度、自信を持つこと
- 評価は自己アピールではなく、結果によって得ると理解すること
が必要です。
「自分は特別な人間です」という顔をするのではなく、
「自分はなんでもない普通の人です」という顔で、
他者を褒め・認め・支える人こそが、最終的に最も信頼される存在になるのです。
頭のいい人が使う「5つの思考法」
本書では、上記の黄金法則を支える「考え方の道具」として、
5つの思考法も紹介されています。
1.客観視する
ある意見や説を目にしたとき、
「賛成」「反対」のどちらかだけを見るのではなく、
わざと逆の立場の意見やデータも集めてみる、という思考法です。
例えば「終身雇用はもうダメだ」という主張があったとき、
- 本当に機能していないのか
- 今もメリットが残っている点はないか
- 国や業界によって状況は違わないか
といった視点で情報を集めることで、より立体的に判断できます。
2.成り立ちを知る
意味や由来を調べるだけで、企画のアイデアになるよ
制度・文化・言葉など、物事には必ず「歴史」や「成り立ち」があります。
それを知ることで、本質や改善のヒントが見えてきます。
本書では、バーベキューの例が紹介されています。
友人との雑談で、「そもそもバーベキューって何?」という話になり、
語源や由来を調べてみると、もともとは丸鶏などを屋外で丸焼きにする文化であることが分かりました。
そこで著者たちは、本来の意味に立ち返り、
業務用スーパーで丸鶏を買って、本格的なバーベキューを実施。
通りがかりの人も興味を持って集まり、大いに盛り上がったと言います。
3.意味を調べる
日常で何気なく使っている言葉の意味を調べてみると、
自分の理解の浅さや思い込みに気づくことがあります。
例えば、ビジネス用語・制度名・スローガンなど、
「なんとなく分かったつもり」で使っているものの意味を掘り下げることで、
議論の質が一段上がります。
4.傾聴する(ただ聞くのではなく、整理しながら聞く)
本書でいう「傾聴」は、単に黙って相手の話を聞くことではありません。
相手の言葉の背後にある意図や感情も含めて、
頭の中で整理しながら聞くことを指します。
ポイントは、
- 相手の言葉をそのまま引用して確認する(オウム返し)
- 「つまりこういうことですね」と要約して返す
- 自分の意見を言う前に、必ず相手の考えを聞く
これにより、相手は「自分の話をきちんと聞いてもらえた」と感じ、信頼が生まれます。
5.交通整理する(意思決定を助ける)
意見やアドバイスは必要ない。
話を整理して相手が自分で決められるようにしてあげるんだ
悩んでいる人は、多くの場合「情報や感情が頭の中で渋滞している状態」です。
そこで頭のいい人は、
- 論点を分ける
- 優先順位を整理する
- 前提条件を確認する
といった「交通整理」を行い、相手が自分で決められるように助けます。
まとめ|「相手のために考える」人が頭のいい人
- 感情的になったときこそ、まず6秒待つ
- 頭のよさは「自分」ではなく「他者」が決めると理解する
- 質問の裏にある、本当に知りたいことを考える
- 人ではなく「課題」と闘う姿勢を持つ
- 伝わらないときは「話し方」より「考えの深さ」を疑う
- 知識は披露ではなく、相手の気づきのために使う
- 承認欲求を満たされる側ではなく、満たす側に回る
- 客観視・成り立ち・意味・傾聴・交通整理という思考法を使う
本書は、会話のテクニック本というより、
「話す前にどれだけ深く考えられるか」を鍛えるための思考トレーニング本です。
実際の仕事の現場で使える事例も豊富なので、
気になった方はぜひ手に取って、じっくり読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
あなたの役に立ったらいいな。


