現金一括で買う

現金一括は、もっともシンプルな買い方です。

ローンや残価設定を使う場合、
金利が上乗せされるため、支払総額は必ず増えます。
では、実際にどれくらい差が出るのか、数字で確認してみましょう。

  • 本来の車両価格:300万円
  • 支払期間:5年(60回)
  • 金利:年3.0%(一般的な自動車ローンの目安)

この条件でローンを組むと、
金利込みの支払総額はおよそ323万円になります。

差額は約23万円。
月あたりに直すと、約3,800円です。

月3,800円のサブスクを、
「5年間、解約不可」で契約してと言われたら、
多くの人は結構悩むのではないでしょうか。

ところが金額が大きくなると、
人間は差を正確に感じ取りにくくなります。
心理学では、こうした傾向を
「スケール不感症」と呼びます。

車の購入のような高額の買い物では、
300万円と323万円の差が小さく見えてしまい、
この負担を軽く受け入れてしまいやすいです。

もちろん、
現金一括はまとまった資金が必要になります。
実際には、ローンを利用する人の方が多いでしょう。

ただし、
何も考えずにローンを組めば、
今回の例より高い金利で契約してしまうケースも珍しくありません。

どうせ同じ車を買うなら、
支払総額は少ない方がいい。
可能であれば、現金一括は
もっとも家計に優しい選択肢になります。
可能であるならば総額の少ない現金払いの方が、
トータルでは家計には優しいのです。


ローンを組んで買う

ローンを使って車を買う場合、
現金一括より支払総額は必ず増えます。

それ自体は、悪いことではありません。
問題は、
「どのローンを、どんな条件で選ぶか」です。

知らないまま契約すれば、
売る側にとって都合のいい条件を
すべて受け入れることになります。

ローンは一括りにされがちですが、
中身は大きく2種類に分かれます。


銀行・信用金庫のマイカーローン

銀行や信用金庫のマイカーローンは、
自分で比較し、選ぶ前提のローンです。

カーショップの店頭では基本的に契約できず、
銀行の窓口やネットで、自力で申し込むひと手間が発生します。

金利は年1〜3%台が目安で、
後述するディーラーローンより
低く抑えられるケースが多くなります。

先ほどの例(300万円・5年)でも、
利息は10万円台に収まることがあり、
支払総額はまだ少な目です。

手続きや事前審査は必要ですが、
その分、
「どんな条件で、いくら払うのか」を
自分で理解したうえで契約できます。

現金一括が難しい場合、
銀行ローンは、もっとも負担の少ない分割払いです。


ディーラーローン

ディーラーローンは、
カーショップの店頭でそのまま契約できるローンです。

審査から契約までが非常にスムーズで、
車の購入と同時に話が進むため、
知らなければ、そのまま選んでしまいます。

一方で、
金利は年3〜8%台と高めになりやすく、
支払総額は銀行ローンより
確実に膨らみます。

同じ条件(300万円・5年)で、
金利が8%だった場合、
支払総額は約363万円。

差額は約63万円。
月額に直すと、約10,500円です。

月1万円のサブスクを、
5年間、解約不可で契約する。
そう考えると、
決して軽い金額ではないでしょう。

それでもディーラーローンが選ばれるのは、
月々の支払い額だけが強調され、
総額を意識しにくい設計になっているからです。

これは、
売る側にとって都合のいい買い方の典型です。

金利が数%違うだけで、
同じ車に、60万円以上多く支払うことになります。

売る側にとって都合のいい買い方は、
総じて、
「買い手にメリットがあるように見える」
よう設計されています。

知らないまま契約すれば、
その条件を、すべて受け入れることになります。


残価設定ローン(通称:残クレ)で買う

先に結論を述べておきますが、
当ブログの立場として、残価設定ローン(残クレ)はおすすめしません。

カーディーラーローンが
「売る側に都合のいい買い方」だとお伝えしましたが、
残クレは、それ以上に売る側に都合のいい買い方です。


残クレの仕組み

残クレは、
月々の支払いが安く見えるように設計されています。

あらかじめ「数年後の下取り価格(残価)」を差し引き、
残りの金額だけを分割して支払う仕組みです。

その結果、
銀行ローンなどと比べて
月額だけを見ると負担が減ったように見えます。

しかし、
支払総額が減ったわけではありません。
負担の一部を、将来に先送りしているにすぎません。


残クレのリスク

毎月の支払いが軽くなり、
本来手の届かない高級車種にも手が届くようになります。

一見メリットがあるように見える一方、
支払総額や制約は隠れがちで、
知らないまま契約すると
売る側に有利な条件を丸ごと受け入れてしまいます。

  • 総額いくら支払うことになるのかが分かりにくい
  • 金利は、銀行ローンより高く設定されるケースが多い
  • 残価にも金利がかかる → 総支払額が増えやすい
  • 契約期間が3〜5年で、途中解約が難しい傾向
  • 走行距離制限・車両状態による追加費用リスクがある
  • 契約終了時の選択肢が少ない

契約書には書いてありますが、
多くの人は細かい条文までじっくり読まず、
知らないまま不利な条件を受け入れてしまいがちです。


残クレは売り手が有利な販売方式

知らないまま契約すれば、
売る側にとって都合のいい条件を、
そのまま受け入れることになります。

残クレは利益率が高く、
高額車種も売りやすくなるため、
カーディーラー側が積極的に勧めやすい買い方でもあります。

残クレは、
数年ごとに新車へ乗り換えることを前提にした仕組みです。

返却しても、
買い取っても、
また残クレを組み直しても、
この流れから抜け出しにくくなります。

結果として、
顧客の囲い込みが起きやすく、
売り手が儲かりやすい一方で、
消費者は損をしやすい仕組みになっています。


再度明言しますが、
お金を貯めたいのであれば、残クレは選ばない。
これが当ブログの結論です。

残クレのリスクについては、
理由だけで1記事書ける内容になるため、
ここでは全体像に留め、下記に詳しくまとめました。

残クレはなぜ勧められるのか|売る側に有利な仕組みを整理する 前回の記事では、車の買い方の中には売る側に有利な仕組みになっているものがあるという話をしました。 https://hitsuji...

リース・サブスク型で使う

車を買うのではなく、”リース・サブスク”
要は”レンタルで乗る”という契約形態も近年は出てきました。
「所有しない代わりに、月額で使う」選択肢です。

車検や税金、メンテナンス費用が含まれていることが多く、
支出が分かりやすく、管理が楽になる点はメリットといえます。

ただし、
基本的には高上りです。

月額料金には、

  • 車両代
  • 各種手数料
  • 管理コスト
  • 事業者の利益

がすべて上乗せされています。

そのため、
長期間使うほど、
現金一括や銀行ローンで購入する場合より
支払総額は高くなりやすくなります。

また、「短期間だけ使える」ように見えますが、
実際には多くのサービスが
3年・5年・7年といった数年単位の契約を前提としています。
途中解約が難しい、もしくは違約金が発生する点も注意が必要です。


リースやサブスクが意味を持つのは、
法人利用や個人事業での経費処理など、限られたケースに限られます。

それ以外の多くの人にとっては、

  • 楽さと引き換えに
  • 割高な月額を
  • 数年単位で支払い続ける

構造になっています。

当ブログの立場として、
お金を貯めたい人に、リースやサブスクは勧めません。

まとめ|車の買い方の結論

いかがだったでしょうか?

車を手に入れる方法は複数ありますが、
売る側にとって都合のいい買い方ほど、

  • 月額が安く見える
  • 楽そうに見える

ように設計されています。
その一方で、支払総額や制約は見えにくくなります。

当ブログの結論はシンプルに

  • 可能な限り、現金一括で買う
  • 分割するなら 銀行・信用金庫のマイカーローン
  • 残クレ・リース・サブスクは割高なので避ける

車は高額な買い物です。
だからこそ、
知らないまま契約しないことが一番重要です。

売る側にとって都合のいい買い方ではなく、
自分の家計にとって都合のいい買い方を選びましょう。